こんにちは。

「敗血症」ってよく聞くけど、どんな病態なんだっけ?
ちょっと難しい…
臨床で患者が「敗血症」となり状態が悪化し、集中治療室での管理となる場面があります。
敗血症は適切な治療を行わないと命に関わる、危険な状態です。
本記事では、その「敗血症」という病態について詳しくお伝えします。
敗血症とは?病態を理解し看護につなげよう
敗血症とは
「敗血症」は、臨床では「sepsis(ゼプシス)」等と呼ばれています。
敗血症とは、体内のどこかに感染巣があり、その部位で細菌が増殖し、細菌菌体あるいは細菌が産生する毒素が血液中に流出し、発熱、ショック、意識障害などの激しい臨床症状を呈する病態のことです。
一般に、敗血症は腸管内で異常に繁殖した細菌あるいは褥瘡に発生した小膿瘍から血液内に菌が侵入する場合が多くなります。
敗血症を引き起こす主な原因菌
原因菌としては、緑膿菌などのグラム陰性桿菌が多く、その細胞壁には、強力なサイトカイン誘導作用をもつエンドトキシンが存在します。
また、大腸菌やセラチア、その他グラム陽性菌(MRSAが最も多い)も原因菌となります。
敗血症のときの全身の反応
敗血症に起因する全身反応の大部分は、細菌や細菌が産生する毒素による直接的な反応よりも、これらの刺激によって宿主細胞からマクロファージや単球を活性化し、産生されるサイトカインを中心とする炎症性メディエータによって引き起こされます。
サイトカインの放出は微量であれば感染防御に働くが、過剰なサイトカインは生体内反応による臓器障害などを引き起こします。
敗血症性ショック
敗血症性ショックとは、敗血症による毒素の血液中への流出により、血管拡張及び血管透過性の亢進を起すなどショック状態となることです。
まとめ
敗血症とは、何らかの原因により感染が生じ、その原因菌や毒素が全身で増殖してショック等の症状を引き起こす病態です。
敗血症は急激な反応を呈しますので、スピーディーな対応が必要となります。
ショック状態であること、感染による炎症反応が進むことなどを理解し、どのような看護が必要かを考えていきましょう。
看護を考える際、治療を理解することも重要ですので、どのような治療が行われるのかも事前に理解しておきましょう。
おまけ:菌血症
菌が全身に回っても特にショック等の症状が出現していない場合は「菌血症」となります。