看護師

集中治療室(ICU)での看護師業務とは?一般病棟とはちょっと違う!

はじめまして。元ICUナースのカナです。

私は二つの病院で計10年以上、集中治療室で看護師をしていました。

また、教育委員として、ICU後輩育成に大きく関わってきました。

集中治療室(ICU)での看護師業務とは?一般病棟とはちょっと違う!

看護学生

ICUで仕事をしてみたいと思うが、大変そうで不安だなぁ。

どんなことをするんだろう?

こんな疑問にお答えします。

 

ICUで仕事をしたことが無い場合、ICUでの業務について、新人看護師であれば全く想像ができないと思いますし、一般病棟など他病棟の看護師でもなかなか詳細はわからないところだと思います。

結論から言うと、行うべき業務内容の基本は他病棟と変わりないです。

ただ、ひとりの患者に対して行うべき確認事項や看護ケアがとても多いです。その分記録すべきことも多くなります。

しかし、受け持ち患者数は少ないため、ひとりの患者に対し、とても密度の濃いケアを提供することになります。

それでは、詳しくお伝えしていきます。

ICUの業務は、楽な日もあればすごく大変な日もある

平日土日は関係ない

ICUには平日だから忙しい、土日だから落ち着いている、といった差はあまりありません。

平日でしか行うことができない検査や手術が関連する場合には多少の差は出ますが、患者さんにとっては大差ありませんので、看護師の業務も大差ありません。

患者の入床数や重症度、状態によって業務量は変わる

基本的にICUには空床をつくっています。理由は、いつでも緊急入院を受けられるようにするためです。

患者数が少なかったり、重症度が低い場合には、業務量はそれほど多くなく、一般病棟よりもだいぶ楽に感じることがあります。しかし、その逆で、患者数が多かったり重症度が高い場合には、とても大変です。

そして緊急入院がある場合にも、業務量は一気に増えます。

重症かつ急性期の患者を一から治療していく場合、検査や処置が立て続けに必要になるためです。

ERがあるため、基本的には初期治療を行ってからICU入室となりますが、ERでできることは限られるため、しゃんとした治療方針を立て実施するのはICUへ入ってからの方が多いです。そうすると、業務が大変になるのは何となく想像できると思います。

患者の重症度が高いほど、そして状態が不安定であるほど、業務量は増えます。

さきほどお伝えした緊急入院の件でも同様ですが、ICUでは重症患者に対して看護を行うため、緊張しながら仕事を行う場面が大部分を占めるため、非常に心身ともに疲労が大きいように思います。

そして重症度が高いほど、また、状態が不安定なほど、業務は多くなります。

ICUではナースコールを使用できる患者が少ないため患者要請による業務は少ないのですが、患者がモニター等を通して体が辛いかどうかを常に発信してくれているので、それに対応する必要があります。血圧の上下変動、不整脈の有無、SpO2の上下、人工呼吸器を使用している場合にはそれによって呼吸の深度や気道内圧の状態もわかります。

あらゆるものを通してこちらへ発信してくれていますので、私たち看護師はその信号をキャッチし、患者の状態が安定するように手を尽くさなければなりません。そのため、重症で状態が不安定なほど、私たちの業務は増えていきます。

ICUは患者の全身管理を行う

一般病棟の看護師は、「ICU看護師は患者を人ではなく物として捉えているんじゃないか」と思うことがあるようです。

ICUNS

そんなことはありません!ご心配無く!

実際に、意識が無い患者へ何も声をかけずにケアを行ったり点滴を投与する新人ナースもいます。ですが、目の前の業務にばかり気が行ってしまい、重要なことを忘れていますよね。意識が無くても一人の患者です。自分の家族が同じようにされたら、きっと嫌な気持ちになりますよね。

そして、物として扱ってしまいがちな要因がもうひとつ。とにかく業務量が多いときです。重症な患者で、医療機器を複数同時に使用している場合、その管理で手いっぱいになってしまうことがあります。機器が多いということは、投与している薬剤も多量です。とにかく「患者管理」に手一杯になるのです。

ICUでは患者の全身管理を行います。これは、治療に伴う全てを管理するということです。多数の医療機器や薬剤の管理を伴うため「管理」と言いますが、「人を管理する」というのはあまり良い言葉ではありませんね。こう行った言葉を使うことが、他の看護師から見れば「患者を物として見ている」ように思えるのだと思います。

ですが、決してそんなことはありません。一人の患者とその家族と密に接するICUでは、より患者への思い入れは大きくなります。もちろん、一般病棟に比べると、患者の入院期間は短いです。診療報酬といった病院経営に関わる問題もありますし、患者のためにもできるだけ早くICUを出る必要があります。

そのため、ひとりの患者とは短期間の関わりとなり、少し寂しいところはありますが、1日の触れ合いの密度は非常に多いため、より11日をしっかりと、心を込めて看護できるように努めている傾向があると思います。

日勤夜勤問わず、必ず行われる業務について

流れは一例ですが、私が経験してきた二つの病院での流れはだいたい共通していました。

申し送り前に情報収集

出勤時間は人それぞれですが、勤務開始の3045分前くらいから情報を取り始める人が多いでしょうか。ベテランになる程遅くなる傾向はあります(笑)

まずは病院や病棟内での申し送り事項が記載してある「申し送りノート」に目を通します。

その後、ICU入室中の患者全員の情報を取ります。ICUは日々患者が入れ替わりますし、患者状態も変わりますので、一人の患者につき多くの情報を取る必要があります。しかし全体数は多く無いため、じっくり情報を取ることができるでしょう。

受け持ちの患者が決まった後は、その日の担当患者の情報を細かく取っていきます。入室後からの経過や最近の状況・イベント(特殊な検査や処置、状態変動)などを見ていきます。また、当日朝に行っている検査結果が出ていることもあるため、以前までと比較し傾向などを見ておきます。

受け持ち患者数

日勤の場合、1回の勤務でに受けもつ患者数は1~3名です。基本的には患者2名に対し看護師1名の比率で配置されているICUですが、リーダー看護師は基本的に受け持ちをしないため、その分他の看護師が受け持ちをしなければなりません。ただし日勤帯は少し看護師数に余裕がある場合が多いため、大抵患者2名の受け持ちをすることが多いです。患者の状態と看護師の経験などのバランスを考え、リーダーナースが割り振りを考えます。

全体申し送り後に、各ベッドサイドで患者の申し送りが行われる

申し送りだけで30分以上かかることもあります。これもやはり患者の重症度によります。

このときの確認事項としては、以下のようなものが挙げられます。

投与中の薬剤内容・投与ルート

ルート・カテーテル類の挿入部や管理状態

ドレナージ挿入部・排液量

機器の作動状況・設定内容

残りの投薬内容・投与時刻

検査内容・実施時刻

必要処置、方法

その他詳細指示(安静度や頓用薬剤など)

 

ざっと記すと、こんな感じです。箇条書きにするだけでもこれだけあるので、実際に細かく確認するとなると、かなりの時間が必要になります。

患者の引き継ぎが終わったら、再度自分で確認し、予定を立てる

申し送りは普通に終わったけれど、振り返って考えてみるとよくわからなかった、聞きそびれたなど、後々疑問や質問が出ることが多いです。

そのため、申し送りが終わったら、再度、自分の目で患者や危機を医師からの指示内容と照らし合わせ、指示通りの治療が行われているかを確認することが重要です

ICUでは一人の患者へ出されている指示が多いです。その指示の妥当性も含め、しっかりと確認する必要があります。医師からの指示の全てが正しいとは限りません。医師も人間ですので、間違えていることもあります。そういった人的ミスにできる限り早く気づき対処することも、看護師の役割です。ミスで一番困るのは患者です。

医療はチームプレイですので、自分の目で見てしっかりと確認し考えましょう。これをやるだけでも、患者の状態と指示内容への理解度が深まるはずです。

また、患者状態を確認しながら、当日自分が行うべき看護について考え、予定を立てます

もちろん、看護計画も確認します。必要時には日勤内のカンファレンスで計画内容を見直したり評価をします。新規計画立案もカンファレンスにかけます。カンファレンスでトピックスを挙げたい場合には、リーダー看護師に声をかけておきます。

患者の病態や状態によって必要な看護ケアは変わる

重症度や疾患など、患者によって私たち看護師が行うケアは異なります。

以下に一般的な業務を記しますが、全ての患者に全てのケア・処置が必要なわけではありません。また、同じケアや処置が毎日必要かと言うと、それも違います。実施時間帯も違うでしょう。

必ずその患者にとってそのケアがそのタイミングで必要性かどうかをよく考えアセスメントした上で、実施していきましょう。

清潔ケア:BBMCなど

抗生剤など時間で投与すべき薬剤の準備

適宜交換が必要な薬剤の準備(昇圧剤、降圧剤、抗不整脈薬などシリンジポンプで投与しているもの。メインの交換。その他)

検査実施、介助、結果確認:CX-P AX-P 採血 血糖チェック、インスリン投与

経管栄養

カテーテル刺入部の状態、必要時消毒やドレッシング剤交換

褥瘡処置

体位交換

吸引

常にモニターチェック、患者チェック

排泄介助、オムツ交換

食事介助

髭剃り

適宜記録

 

たくさんありますね。でも、患者によって必要なケアは異なりますので、都度必要性を考えて行なっていきます。

最後に

今回はICU看護師の仕事や業務量・内容についてザッとお伝えしました。日勤や夜勤での基本的な業務の流れは、今後お伝えしたいと思います。



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