看護師

ICU看護師の役割【ポイント5つ】

こんにちは。元ICUナースのカナです。

私は大学病院と地域の総合病院のICUで、計10年間看護師をしていました。

ココではこんな疑問にお答えします。

看護学生

ICUナースの役割って何だろう。詳しく知りたいな。

先に結論です。

結論

患者や家族の状況を理解してそれぞれの想いに寄り添い、確実で正確なアセスメントに基づいた看護を提供する

当たり前のことだと思うかもしれませんが、とても大切です。

こちらの記事はこれからICUナースになる人、まだICUナースになって日が浅い人にとって、役立つ内容だと思います。

それでは、詳しく説明していきますね。

ICU看護師の役割【ポイント5つ】

日本集中治療医学会による定義

日本集中治療医学会では、下記のように定義されています。

<集中治療における看護師の役割>

1.生きる権利を擁護するために、生命の危機的状況から脱出し、早期回復に向かうよう最善 の看護を提供する。

2.知る権利を擁護するために、患者と家族に必要な情報をわかりやすく伝える。

3.治療および看護を選ぶ権利と断る権利を擁護するために、複雑な意思決定を求められる場 合や患者本人が治療および看護を選択できない場合に、患者と家族が希望や思いを表現でき、意思決定できるよう支援する。

4.尊厳を持って死に行く患者の権利を擁護するために、重症患者の末期医療に関する勧告な どを踏まえ、患者と家族の代弁者となる。

5.患者と家族の権利を擁護した質の高い看護を実践するために、自ら医療の現状に関心を持ち、自己研鑽に努める。

では、それぞれの項目について考えてみましょう。

項目1. 患者が生きるため、急性期の状態を脱するための援助を行う

ICUでの治療が必要な患者は、生命の危機状況にあります。

・意識が無い

・循環動態が不安定

・呼吸状態が不安定

・少しの刺激で容態が急変する可能性が高い

こういった状態にあるということです。

この状態から早く抜け出し、生命の危険がない安定した状態へ向かうよう支援することが重要な役割になります。

治療を考えるのは医師ですよね。看護師は治療を行うわけではありません。では、看護師は重症な患者さんに対し、どのようなことができるのでしょうか?

 

ICUの看護師になった当初は、重症な患者さんを目の前にし、触れることすら怖かったのではないでしょうか。「触れたら容態が悪化するのではないか」「どこにどう触れれば良いのだろう」そう思った人は多いはず。

これからICUで仕事をする方の場合には、おそらくICUに入って最初に上記のような想いをするでしょう。

重症患者さんは、その悪い状態を脱するために様々な治療が必要となります。そして必要な治療に応じ、多くの管が入ります。

口には挿管チューブが入り、右の頸部からスワンガンツカテーテル、鼠蹊部から中心静脈栄養やIABP、透析のルート、鼻から経鼻経管栄養チューブ、腕にも点滴の管や動脈圧カテーテルなど、本当にたくさんの管が必要になることがあります。管とともに多くの医療機器が患者さんの周りに設置されていたり

このような状態で私たち看護師ができることは何でしょう。

 

ご存知のように、看護の答えはひとつではありません

アセスメントを行い、根拠に基づいた、患者家族にとって必要なケアであれば良いと思います。

なので、まずは自分にできることをしっかりと考えていきましょう。

ICU看護師が行うケアが患者へ与える影響

治療の効果を高め回復を早める看護=治療の効果を弱めたり回復を遅らせない看護

看護師が行うことひとつで、治療の効果を高めることもできますし、逆に効果を弱めてしまうこともあります

治療の効果を高める例として、看護師の体位交換やドレナージの方法ひとつで、排痰効果を高めることができるかもしれません。

回復を送らせてしまう例としては、点滴ルートの管理で挿入部の清潔が保てなければ感染の合併症を起こしてしまう危険性がありますし、ルートから投与する薬剤の組み合わせを間違えれば、薬剤が化学反応を起こしてしまい、薬効が減少するとともにルートが閉塞して使えなくなる可能性もあります。

患者へ行う看護ケアは、とても多くの種類があります。直接的に患者さんに触れないものでも、患者さんに関連することがほとんどです。

ひとつ一つの行動の全てが患者さんの容態に大きく関わります。不安定な患者さんですので、与える影響は大きいです。特に、治療を促進することよりも治療の妨げになることの方が多いです。それくらい、重症患者の全身管理は難しいのです。

こういう話をするとICUで仕事を行うことに怖さを感じてしまうと思います。もちろん、その怖いという気持ちはICUでの仕事に慣れても消えません。むしろ消してはいけないと思います。

自分が患者へ与える影響を考えながらも、しっかりとアセスメントを行い、確認作業を怠らずに看護を行いましょう。そうすることで患者へ悪影響を及ぼすこと無く、必要なケアを提供することができるようになります。

そういったことを理解した上で、患者さんへの治療の効果を最大限高めて早期回復ができるように努めることが、ICU看護師には求められます。

項目2.3.4. 必要な情報を正しく伝え、患者家族が理解し納得した上で治療を選択できるように援助する

ICUに入院することになった患者さんがいたとします。その患者さんについての病状を医師から伝えられたとしても、大きく動揺している上に聞き慣れない医療用語で、家族が一度の説明で理解できるとは考えづらいですよね。

ただ、医師としても家族への説明が必須ですし、説明や同意なしに治療を進めていくことは難しいので、初期にしっかりと説明を行うことはとても重要になります。

さて、この時看護師としてできることは何でしょう。

それは、改めて家族に話しかけ、状況が理解できているかどうか、医師からの説明でわからないことは無かったか、今疑問に思うことは何かなどを確認することです。

家族は医療職に対し、忙しそうで話しかけづらい印象を抱いています。そのため、こちらから話しかけ、きちんと家族の気持ちや頭の中を整理できるように援助する必要があります。

そういった情報提供や情報整理を助け、状況を理解した上で治療の選択や意思決定ができるように支えられるようにしましょう。

項目5. 医療は日々進歩しているため、必要となる知識や技術も変わっていく

医療の進歩は目覚ましいものがあります。どんどん研究が進み、新たな薬が開発され、新たな医療機器も作られています。より良い医療の提供を行い、より多くの患者さんを助けられるように、少しでも病状が良くなるようにと、医療現場でトップに立つ医師も日々学習をしています。

そして私たち看護師も常に学習をする必要があります。そのためには、病棟内での学習会だけでは無く、外の研修会などに参加し、世の中の新しいトピックスをできるだけ取り入れられるように努めていく必要があります。

ただ、看護師は常に忙しいです。仕事の後に委員会や院内研修に参加したり、休みの日に会議があったり、夜勤明けでも看護研究を行わければならなかったりと、とにかく休みを削って仕事をしている状況であることが多いです。そのため、貴重な休日を外部の研修に当てるのはなかなか難しいかもしれません。時間と心身の状態に余裕がなければ積極的に外部には行けませんよね。

そういった理由で活用できる道具のひとつが、看護系雑誌です。雑誌には常に新たなトピックスが掲載されています。新たな看護ケアの考え方や医療機器に纏わることまで、様々なトピックスに触れることができます。雑誌はちょっとした時間にいつでも読むことができますので、割と使いやすいツールだと思います。

最後に

ICUナースの役割と言っても、他病棟と大きな違いはありません。根本的な考え方は同じだと思います。

ただ、ICUの患者さんは重症かつ生命の危機状態にあり、その家族も同様に大きく動揺しています。そういった患者さんや家族の置かれている立場や状況を都度理解した上で、看護師が関わり、それぞれの想いを汲み取って必要なケアを提供していくことが、ICUナースの役割だと思っています。

患者さんや家族と関わることに抵抗や怖さを感じることもあると思います。ですが、その“怖さ”を忘れてしまったら、人を人として見れなくなってしまいます。その“怖さ”を常に忘れずに、真摯に看護に取り組んでいきましょう。

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