こんにちは。
敗血症やDICについての病態や治療を理解できたところで、看護のポイントを押さえていきましょう。
看護のポイントは下記になります。
- 感染源が除去され,血行動態が安定する
- 腎機能が悪化せず,急性腎不全に陥らない
- 呼吸状態が悪化せず,呼吸不全に陥らない
- 肝機能が悪化せず,肝不全に陥らない
- DICが改善し,大量出血を起こさない
内容が多いため、ひとつずつ詳しくお伝えしていきます。
本記事の内容
SEPSIS・DIC看護のポイント③肝不全予防
目標基準
以下の項目に沿って状態を観察していきます。
検査データ
高アンモニア血症
黄疸
腹水
出血傾向
炎症所見
⑴検査データの正常化
GOT,GPT,Bil,NH₃,BUN,Cr
⑵高アンモニア血症がない,もしくは改善がみられる
⑶黄疸がない,もしくは改善がみられる
⑷腹水の貯留がない,もしくは改善が見られる
⑸出血傾向がみられない,もしくは改善がみられる
⑹炎症所見の上昇,発熱がない
ケア
➀肝機能の悪化,肝不全の症状をアセスメントし,異常があれば医師に報告する。
a)検査データの異常
b)高アンモニア血症に伴う症状の出現
傾眠傾向
羽ばたき振戦の出現
アンモニア臭がある
不穏状態がみられる
c)出血傾向の出現,増強
口腔内出血
皮下出血
血尿,潜血尿
消化管出血
血痰
d)過換気,呼吸性アルカローシスが見られる
呼吸数30回/分以上
呼吸苦がある
動脈血液ガスデータ
pH>7.4,PO₂・HCO₃の低下
e)黄疸の出現,増強
f)腹部膨満,それに伴う呼吸苦がある
➁肝血流量を維持するためのケアを行う。
a)エネルギー補給,低蛋白血症に対し高カロリー輸液,アルブミン製剤の投与
b)肝血流維持目的でイノバン,プロスタンディンの投与
※プロスタンディン使用により血圧低下を起こしやすい
c)肝再生促進目的のGI療法
※GI療法:膵ホルモンであるインスリンとグルカゴンの投与
d)高アンモニア血症に対する,アミノレバン,ラクツロースの投与
e)蛋白と凝固因子の補充療法として,新鮮凍結血漿(FFP)の投与
f)脳浮腫に対するグリセオール,ステロイド剤の投与
➂血液浄化施行中の患者のケア
a)急性腎不全に対し持続的血液濾過透析が施行される
b)血漿交換
➃出血の予防
➄感染予防
a)ライン・ドレーン類挿入部の清潔保持
b)身体の清潔保持