看護師

敗血症治療のポイントは?治療の流れを理解し看護に活かそう

こんにちは。

看護学生

敗血症の治療の流れってどんなだっけ?

このような疑問を抱えてはいませんか?

本記事では敗血症の治療の流れから全体像までをお伝えしています。

全体像を先にお伝えすると、以下のようになります。

  • 原因の除去
  • 基礎疾患の改善
  • 抗菌化学療法
  • ステロイド療法
  • 血液浄化法
  • 蛋白分解酵素阻害剤の投与
  • 抗サイトカイン療法
  • 臓器機能の維持

それでは、各項目について詳しくお伝えしていきます。

敗血症治療のポイントは?治療の流れを理解し看護に活かそう

原因の除去

病態についての記事でもお伝えしましたが、敗血症は何らかの感染が原因で引き起こされます。

そのため、まずはその原因となっている感染巣・感染経路を特定し、除去する必要があります。

この感染源が除去されなければ、感染のコントロールは困難です。

以下のような方法で感染源を除去していきます。

①血管,尿路カテーテル,中心静脈カテーテルなどの抜去,交換

②化膿巣があれば切除,排膿,ドレナージ,デブリドマン,洗浄

③胆道系の感染が原因であれば,経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD),経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)

④肺炎が原因ならば,喀痰の排出,気道の吸引,強力な抗菌化学療法

基礎疾患の改善

基礎疾患に敗血症が重なり、より重症化してしまうケースが少なくありません。

感染のコントロールと同時に基礎疾患に対する治療やコントロールが必要になります。

①全身的免疫低下状態の改善

栄養管理,輸血,γ‐グロブリンの投与

好中球減少例に対しての顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)の投与

②糖尿病

血糖値を頻回に測定し,インシュリンによる治療

→ショック状態ではカテコラミン放出によりインスリン分泌は低下し高血糖状態となるため、血糖値のコントロールを厳重に行います。

抗菌化学療法

敗血症は感染のコントロールをしなければ改善が困難ですが、原因菌を特定するには培養を行うなど時間がかかります。

既に敗血症で全身状態は不安定のため、原因菌を特定してから治療をするのでは遅く、特定前から治療を開始していきます。

①原因菌同定前

敗血症は多くの場合救急疾患であるため,できるだけ早期に治療を開始する

広域抗生物質であるペニシリン,セフェム,カルバペネムなどの点滴静注

②MRSAが疑われれば,塩酸バンコマイシン,硫酸アルベカシン,テイコプラニンの投与

③原因菌の特定後

原因菌に感受性の高い抗生物質に変更する

④複数菌感染症

そのすべての菌種に対応する複数の抗生物質の併用

⑤真菌血症

抗真菌剤(フルコナゾール,ミコナゾール,アムホテリシンB)の投与

ステロイド療法

グルココルチコイドはTNF‐αIL‐1IL-8などの炎症性サイトカインならびに多くの炎症性メディエータの産生・放出を抑制し,補体の活性化や好中球の凝集・付着を抑制するので有効性は期待できます。

ステロイドは感染症の諸症状を不顕下する可能性があるので、慎重な使用が必要です。

血液浄化法

各種のメディエータや細菌の産生する毒素を濾過,透析,吸着などで除去し,炎症反応を軽減します。

現在は静脈にダブルルーメンカテーテルを留置し,体外循環を維持する方法が一般的です。

①持続的血液濾過(CHF)

②持続的血液濾過透析(CHDF)  血液濾過+透析効果

③ポリミキシンB固定化カラム(PMX)による直接血液還流(DHP) ⇒ 血中エンドトキシンの除去

④持続的血漿交換(CPE)

蛋白分解酵素阻害剤の投与

毒素や各種メディエータの進襲を阻止して、循環動態を安定化し、重要臓器の機能を庇護します。

・レミナロン:1日20~39mg/kg

・フサン:1日0.6~0.20mg/kg

・ミラクリッド:一回10万単位1~2時間かけて11~3回点滴静脈注射、または、10万単位11~3回静脈注射

抗サイトカイン療法

炎症性サイトカインや各種メディエータの制御機構が破綻し,それらが循環血液中に高濃度に存在している状態です(サイトカイン・ストーム)。

これらのサイトカインやメディエータを直接抑制する治療法です。

今日までに抗TNF-αモノクロナール抗体(antiTNF Ab),可溶性TNF受容体(sTNFR),抗IL-1療法(rIL-1Ra)などが臨床治験されました。

臓器機能の維持

多臓器障害の発症に対応した処置をとります。

①hypodynamic shock

循環動態を適正に保つことはきわめて重要です。

スワンガンツカテーテルにより中心静脈圧ならびに肺動脈拡張期圧、心拍出量をモニターしながら、乳酸化リンゲル液(ST3、ラクテック、ヴィーンFなど)、必要に応じてアルブミン製剤、新鮮凍結血漿を輸液します。

貧血があれば輸血します。

ドパミン,ドブタミン投与による心機能,腎血流の維持は必須になります。

ミラクリッドも急性循環不全に有効です。

<適正数値・量>

心拍出量:3~4ℓ/秒/㎡

中心静脈圧:5~8cmH₂O

肺動脈入圧:3~15mmHg

Point

・血管作動薬(血圧は80mmHg以上を維持)

イノバン、ドブトレックスの使用:315μg/kg

必要によりノルアドレナリンを使用030.15μg/kg/

・栄養輸液 ←敗血症では代謝亢進や蛋白異化亢進を認め低栄養となります

・窒素バランスを大きく負に傾けないようにするため、分岐鎖アミノ酸を高濃度に含むアミノ酸の投与を行います。

→経管栄養、中心静脈高カロリー輸液

・エネルギー需要量は増大し、成人では25003000kcal/day以上を投与します。

②ARDS

頻回な動脈ガス分析により,酸素吸入,気管内挿管による補助呼吸を行います。

通常,呼気終末陽圧呼吸(PEEP)が必要となります。

看護に活かすことが重要

患者の急変の原因となりうる敗血症に対しては、適切な治療を速やかに行わないと患者の命に関わります。

その治療の指示を出すのは医師ですが、サポートし看護にあたるのは看護師です。

予め治療の流れや全体像が把握できていれば、その先に必要な行動や看護を前もって準備したり考えておくことができますね。

予測を立て、治療をスムーズに行うとともに患者の反応に素早く対応していくことが大切です。

-看護師

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